小さな積み重ねヘルパーの仕事には、利用者様のオムツを交換をするというものがあります。
介護の仕事に就くまでは、オムツの交換などはしたことがありませんでした。
しかし、ヘルパーを始め色々なご支援を行うようになると、オムツを交換するご支援に入る機会もでてきました。
当然、研修をうけ練習もしていましたが、実際に利用者様のお体にふれオムツを交換するとなると、他のお体に触れて行うご支援とはまた違い、改めて身体に触れる支援は力加減や位置の微調整が難しいと感じました。
利用者様のお体に触れる衣服やオムツは、少しのズレでも利用者様にとっては気になるものです。
私も汗で服がくっついてめくれてくると気になって、すぐに直します。
私が通っていた中学校には何度もズボンを上げなおす先生がいて、その回数を数えて退屈な授業(他の授業は真面目にうけていました。本当です。)の時間を過ごしたりしたこともあります。
そのくらい誰でもズレは気になるものなのだと思います。
しかし、身体的に不自由がある方は、すぐには直せないですからいつまでも辛い思いをしないといけません。
私たちヘルパーはそんな利用者様のために、できるだけ早く気づいて直してあげたいと思います。
そして、オムツを履いたり服を着たりした時点で可能な限りズレにくいところに合わせてあげたいと。
そのために私は、自分が支援を受けている側にたつイメージを持つことにしています。
自分の股に清拭もしくはオムツを当てている意識をもってご支援をおこなっています。
例えば、清拭であれば力の向きによって痛かったり力加減を考えたりしていますし、お風呂で股を洗う時にどんな風に洗っているかをイメージし、それと同じように利用者様への清拭をしています。
オムツの位置であれば、パンツがしっくりきていない時にどんな風に引っ張って調整するかをイメージし、それと同じように引っ張るようにしてます。
清拭をするときに利用者様を傷つけることを気にして力が入れられず、「もっと強く拭いて」と言われるようなこともありましたが、自分の身に置き換えイメージをもつことで、適切な力で清拭ができるようになるように思います。
そして、イメージの精度を上げていけばまだ十分に拭けていないところが支援者もかゆく感じ、利用者様の感覚により近づけるようになると考えています。
また、普段は自然としている動作を再確認することも、身体介護の技術をあげることに役に立つと思います。
例えば、家で自分の頭を洗う時に指のどのあたりを使っているのか、どこからどういう風に洗っているのかの動作の確認をすれば、それが利用者様の洗髪をするときにただ洗髪をするだけにとどまらず、より利用者様が快適に頭を洗ってもらえるようになると思います。
ズレを直すことは支援の流れからみると小さいことで手間がかかることかもしれませんが、それをしっかりできるかどうかで利用者様の満足度が変わってくると思います。
そしてこのことは、利用者様が望んでおられるが利用者様からしたら細かい点で要望を伝えにくい点でもあると思います。
だからこそ、こういった細かいところで工夫をしているヘルパーと、そうでない支援者とでは知らず知らずのうちに差ができていくと感じています。